裁判まで粘り強く争い、後遺障害１４級で１０００万円以上の賠償金を獲得した事例

ご相談内容

相談者の方が、職務中に四輪車を運転して交差点に進入したところ、赤信号で交差点に進入してきた加害車両に衝突され信号を無視してきた相手方車両に衝突された事故により、怪我をしたとして、ご相談を受けました。物損については、会社所有の車両であったことから、受任を受けておりません。

サポートの流れ

事故直後からご相談を受け、すぐに受任に至りましたが、治療費打ち切りが行われるまでは、相手保険会社との交渉窓口にはならずに、通院方法、必要な検査等の相談業務のみを行っておりました。
これは、相手保険会社に弁護士依頼を知られてしまうと、相手保険会社に必要以上に警戒をされ、通院慰謝料が増額されることを恐れて治療費支払いを早期に打ち切られる危険性があるからです。幸い、過失割合は問題にならない事案であり、かつ、依頼者の方は相手保険会社から治療の経過を確認されることにつき、特に苦を感じない方だったため、ご自身で相手保険会社の対応をして頂きました。
相手保険会社から半年ほどで治療費を打ち切られた後に弁護士が介入し、労災保険を使用して、治療を継続して頂きました。
後遺障害申請については、医師の後遺障害診断書に後遺障害申請を行った上で、相手保険会社に示談案を提示しましたが、相手保険会社は、後遺障害を理由もなく否認したうえ、認めていた休業損害を全額否定するなど、極めて不謹慎な対応をしてきたため、紛争処理センターに申立を致しました。
紛争処理センターにおいても相手保険会社は同様の態度を取り、後遺障害認定結果を合理的な理由もなく否定し、相手保険会社から債務不存在の訴訟提起を行ってきたので、当方側も反訴提起を起こし損害賠償請求を行いました。
訴訟においては、治療の必要性、後遺障害の妥当性を鑑定書を提出したうえで、詳細な主張をして、裁判官が被害者側主張の正当性の心証を得たことから、裁判所から和解案が提示されて和解に至りました。あまりにも被害者側に有利な和解案だったため、加害者側保険会社が認めないだろうと予想しましたが、全面的に和解案を認めるに至りました。

解決内容

通院慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料、逸失利益と、示談段階で主張していた請求額がほぼ全額認められました。寧ろ、裁判となったがため、他の事案では譲歩している点につき、満額が認められたうえ、遅延損害金等を考慮した調整金が５０万円ほど加算されたため、示談交渉段階での被害者請求額よりも損害額は寧ろ上がった事例となりました。
なお、依頼者の方は、加入保険会社からも搭乗者保険を受け取り、労災からは特別支給を受けているので、１０００万円ほど受領しています。この金額には税金もかからないため、手取り金額です。
後遺障害１４級の事例で、損害総額が１０００万円を超える事例は珍しく、相手保険会社が最後まで争ってくれたため、満額の獲得ができ、非常に良い事案となりました。

所感（担当弁護士より）

本件事案は、被害者側の主張がほぼ満額認められたため、加害者側保険会社が争ってくれたことが寧ろ被害者にとってよい結果につながりました。自賠責保険金の充当方法につき、被害者側も若干譲歩したため、判決になれば、更に加算された損害が認定されていたと予想されます。
もっとも、相手方保険会社が、なぜ争ったのか、最後まで不明な事案と感じました。
どこの保険会社とは言いませんが、加害者側保険会社が、合理的な根拠もなく、支払わないと主張してくることが多くなったと感じます。多忙なためか、保険会社側代理人の中には、的外れな主張や理解が誤った主張をされる方もおられます。
弊所では、保険会社側からの不合理な対応を受けた場合でも、毅然とした態度で、最大限の請求を目指しますので、ぜひご相談、ご依頼をお待ちしております。