未成年者の鎖骨骨折により、早期解決にも拘わらず比較的高額な賠償金を獲得できた事例
- 保険会社提示額
- 交渉前
- 最終獲得額
- 766.6万円
ご相談内容
被害者 | 10代 学生 男性 |
---|---|
部位 | 左鎖骨 |
傷病名 | 左鎖骨骨幹部骨折 |
後遺障害等級 | 12級 |
獲得金額 | 約766万円 |
自転車で横断歩道を渡っている際、車と衝突し、鎖骨を骨折したお子様の事故の事案です。交通事故法律相談会に飛び込みでご参加された親御さんからのご相談がきっかけでした。事故直後のご相談だったため、直近の不安などはなかった方でしたが、鎖骨を骨折しているとのことから、後遺傷害の発生可能性があると思われたため、治療を見守り、かつ、後遺障害申請の準備をする必要を感じ、直ちに受任を致しました。
サポートの流れ
項目 | サポート前 | サポート後 | 増額幅 |
---|---|---|---|
後遺障害等級 | – | 12級 | – |
入通院慰謝料 | – | 126 | 126 |
休業損害 | – | 0 | 0 |
逸失利益 | – | 351.4 | 351.4 |
後遺障害慰謝料 | – | 290 | 290 |
入通雑費 | – | 0 | 0 |
交通費 | – | 0.2 | 0.2 |
治療費 | – | 39 | 39 |
過失相殺 | – | -40 | -40 |
合計 | 0 | 766.6 | 766.6 |
単位:万円 |
事故直後から、総合病院に通院されていましたが、総合病院からの転院をお勧めし、治療状況をまずは見守りました。総合病院では、一人一人の患者を丁寧に見てくれない傾向にあるためです。また、物損についてのご相談もありましたが、相手方保険会社からの提示内容がよいものだったので、弁護士介入前に、物損だけ先に示談するよう指示しました。
症状固定前となり、可動域制限が生じているとのことで、計測の方法をレクチャーした上で、必ず医師に計測を受ける前に、自宅で計測の練習をするよう指示をしました。医師が適当な計測をする場合が往々にしてあるからです。後遺障害診断書を受領しましたが、残念ながら可動域の制限はなかったものの、変形癒合に基づく神経症状につき後遺障害申請をし、後遺障害12級を獲得しました。
また、刑事記録を取り寄せ、相手主張の過失割合の妥当性を検討し、過失割合についても強気で交渉いたしました。
その後は、後遺障害逸失利益の算定で交渉となりましたが、なかなかまとまらず、紛争処理センターの申立を検討していたところ、被害者の親御さんから長引くことを望まないとして、示談を締結するに至りました。
解決内容
お子様が未成年で若いことから、休業損害が算定できず、また、逸失利益についても、喪失期間が10年に留まってしまうことから、300万円代と比較的低額の算定となってしまいました。
過失割合については、相手が基本過失割合3対7を主張してきたものの、刑事記録から、2つの修正要素を主張し、5対95の過失割合を勝ち取りました。
所感(担当弁護士より)
早期受任により、治療態様、治療先、症状の伝え方に誤りが生じなかったことから、無事後遺障害認定を勝ち取ることができました。通院先を誤ることにより、後遺障害が残存しても、後遺障害認定が獲得できないことがあり得るため、早期受任の大切さを再確認できました。
また、未成年等若年令で、神経症状の後遺障害の場合は、逸失利益の算定が難しく、相手保険会社と争いになることが多いため、解決が難しいという印象を受けます。
過失割合については、加害者が起訴されたため、詳細な刑事記録を取り寄せることができ、当方側の過失割合を25%も減縮できた珍しい事案となりました。