事故後の高次脳機能障害に数年気づかなかったものの、後遺障害7級が認定され、訴訟により6000万円以上が増額した事例

後遺障害等級
7級
傷病名
脳挫傷、高次脳機能障害、びまん性軸索損傷、高エネルギー外傷、外傷性出くも膜下出血、頭蓋内に達する開放創、鼻骨骨折、外傷性頚部症候群、右母指打撲傷、右手関節捻挫 など
保険会社提示額
交渉前
最終獲得額
6,218万円

ご相談内容

被害者 20代 会社員 男性
部位 脳、顔、首、手指、手関節
傷病名 脳挫傷、高次脳機能障害、びまん性軸索損傷、高エネルギー外傷、外傷性出くも膜下出血、頭蓋内に達する開放創、鼻骨骨折、外傷性頚部症候群、右母指打撲傷、右手関節捻挫 など
後遺障害等級 7級
獲得金額 6218万円

相談者が、バイクで直進により交差点に進入したところ、対面から右折してきた自動車に衝突され、脳を損傷なる等した事故です。
相談直後からご相談に来られたものの、医師から高次脳機能障害はない、完治に近いと言われ、単純なむち打ち損傷に近い事案として、ご相談に来られました。

サポートの流れ

項目 サポート前 サポート後 増額幅
後遺障害等級 7級
入通院慰謝料 130 130
休業損害 166.5 166.5
逸失利益 4,346 4,346
後遺障害慰謝料 1,000 1,000
入通雑費 0.5 0.5
交通費 4 4
治療費 70 70
調整金 22 22
遅延損害金 1,051 1,051
過失相殺 -572 -572
合計 0 6,218 6,218
単位:万円

本件では、①物損の交渉②後遺障害認定サポート③労災申請サポート④示談交渉サポート⑤訴訟提起までフルコースのサポートとなり、その対応期間は、約7年間となりました。
後遺障害においては、最初の後遺障害請求では、脳の損傷に伴う神経症状として12級のみが認定され、脳の損傷だけの後遺障害(といっても、12級14号の神経症状という認定。)という珍しい認定を受けました。
その後、ご家族から被害者本人の状況を聞いたところ、異常行動が多数みられたため、通院を再開した上、異議申立を行いました。
異議申立により、後遺障害7級が認定されたため、示談交渉を行いましたが、相手の損害額提示額が0となったため、訴訟提起に至りました。

解決内容

後遺障害7級が認定されたものの、後遺障害9級前提の逸失利益、後遺障害7級前提の後遺障害慰謝料で訴訟和解することとなりました。
また、青信号同士の直進、相手右折の事案において、裁判所の心証は、15対85以上の心証、ともすれば、5対95の心証に近かった事案です。和解のため、10対90で当方側も譲歩した展開でした。
遅延損害金も含め、約6000万円の和解提案があり、判決であれば更に高額になる可能性もありましたが、和解に応じました。後遺障害7級事案としては、比較的高額の案件(一般的な死亡事故事案よりも高額)となりました。

所感(担当弁護士より)

一言でいえば、とても疲れた事案でした。7年間も1人の依頼者の方と付き合い続けるということはなかなかない事案です。
その一方で、労力に見合った結果になったと思います。
訴訟提起序盤においては、相手方は、支払額0に固執しており、最終的には尋問まで至りました。
相手の保険会社は、最後まで後遺障害はないと主張し続け、被害者に対して厳しい追及を続けた事案です。
日本の保険制度はどうなっているんだろうと、疑問を持たざるを得ない事案でした。
高次脳機能障害は、「気づきにくい」傷病です。本件も、最初に担当していた医師は、「高次脳機能障害はない」と判断していました。
脳の損傷が、画像から明らかであるにも拘わらず、高次脳機能障害を疑いもせず、患者にその説明すらしていませんでした。
ただ、このような病院や医師の対応は、全く珍しくありません。
「脳挫傷」「くも膜下出血」「びまん性軸索損傷」等の診断を受けたら、医師の「もう大丈夫」という言葉は信じず、まずは、弁護士に相談してください。また、周りのご家族はその診断を受けた被害者を見守ってあげてください。何か「変だな」と感じたら、すぐに弁護士に相談して下さい。高次脳機能障害は、医師、家族ですら気づきにくい障害であることを知っておいてください。
弊所としても、記憶に強く残る事件の1つとなりました。

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