高齢者であり、勤務実態がないこと等から、10級認定も、低額の賠償額に終わった事例

後遺障害等級
10級
傷病名
左大腿部頚部骨折
保険会社提示額
交渉前
最終獲得額
567万円

ご相談内容

被害者 80代 男性
部位 大腿骨
傷病名 左大腿部頚部骨折
後遺障害等級 10級
獲得金額 567万円

自転車に走行して、一時停止違反により交差点に進入したところ、四輪自動車に衝突され、骨折等をされた被害者のお子様から、事故の対応について、依頼をしたいとの相談を受け、受任しました。

サポートの流れ

項目 サポート前 サポート後 増額幅
後遺障害等級 10級
入通院慰謝料 200 200
休業損害 0 0
逸失利益 0 0
後遺障害慰謝料 550 550
入通雑費 5 5
付添費 12 12
交通費 2 2
治療費 41 41
過失相殺 -243 -243
合計 0 567 567
単位:万円

弊所がサポートした内容は、過失割合の交渉、後遺障害認定サポート、人身損害の示談交渉です。 治療費については、被害者の過失が大きいことが想定されたため、健康保険使用を勧め、治療費の負担金額が大きくならないように指示をしました。 後遺障害申請については、相手保険会社に委ねることなく、被害者請求を行いました。 医師が後遺障害に対する理解に乏しく、可動域の計測値が、不自然かつ異常な数値となっていたため、相談者を通じて、医師による再計測を求めましたが、相談者、医師両者にご理解頂けず、後遺障害10級に留まってしまいました。  過失割合については、刑事記録、ドライブレコーダーを取り寄せ、過失割合交渉を粘り強く行いました。

解決内容

被害者が、高齢者であり、労働による所得がなかったことや、被害者側に明らかな一時停止違反があったことから、後遺障害10級という比較的重い後遺障害が認定されたものの、認定額は、567万円ほどの低額な賠償金額となってしまいました。

所感(担当弁護士より)

後遺障害申請に当たって最も苦労した点は、被害者及び医師への後遺障害内容を理解して頂くことでした。 後遺障害申請にあたって、可動域の計測数値は極めて重要です。そのため、弊所では、医師に計測をお願いする前に、自宅で計測の練習をしてもらい、かつ、その数値を弊所にご報告してもらうようにしています。 今回の相談者の方にも、事前の計測の練習と報告を求めましたが、いずれも行うことなく、弊所には後遺障害診断書が突如送付されてきてしまいました。当該診断書の記載内容では、足が不自然なほど曲がるという数値になっていることに加え、あり得ない方向に曲がっていることになっていました。そのため、様々な計測図を提示して、相談者に理解を求め、医師に訂正してもらうよう求めましたが、相談者にも、弊所と直接話をした医師にもあまり理解してもらえず、不自然な数値のまま後遺障害申請に挑むことになってしまいました。結果としては、人工骨頭の置換手術という客観的な所見はあったため、後遺障害10級が認定されましたが、可動域については、寧ろ健康な足よりも非常に動く足のような計測値になってしまいました。なお、後遺障害診断書には、この置換手術の記載は全くされておりませんでした。  もっとも、人工骨頭の置換手術が行われた場合、可動域は、2分の1以下という大きな運動制限がないと、10級よりも重い後遺障害認定にはならないため、結果はあまり変わらなかった可能性もあると思っています。医師の後遺障害に対する理解は乏しいことを改めて思い知らされた事件となりました。後遺障害申請を行うにあたっては、医師作成の診断書を鵜呑みにせず、申請を行う前に、弊所にまずは一度ご相談をお願いいたします。

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