醜状痕の後遺障害14級ながら、逸失利益を相手に認めたさせた事例
- 保険会社提示額
- 交渉前
- 最終獲得額
- 289万円
ご相談内容
被害者 | 10代 男性 |
---|---|
部位 | 手、腿、膝 |
傷病名 | 左尺遠位端骨折、左大腿部皮下血腫、 左膝内側側副靭帯損傷、 左大腿筋膜張筋断裂、 左大腿蜂窩織炎 |
後遺障害等級 | 14級 |
獲得金額 | 289万円 |
バイクを運転して直進中、渋滞中の車両の間を右折してきた車両に衝突されて足を骨折したとして、事故直後から相談を受けました。
サポートの流れ
項目 | サポート前 | サポート後 | 増額幅 |
---|---|---|---|
後遺障害等級 | – | 14級 | – |
入通院慰謝料 | – | 157 | 157 |
休業損害 | – | 15 | 15 |
逸失利益 | – | 38 | 38 |
後遺障害慰謝料 | – | 110 | 110 |
付添費 | – | 1 | 1 |
交通費 | – | 4 | 4 |
治療費 | – | 15 | 15 |
過失相殺 | – | -51 | -51 |
合計 | 0 | 289 | 289 |
単位:万円 |
弊所がサポートしたのは、物損の示談交渉、後遺障害認定サポート、人身損害の示談交渉及び紛争処理センター申立です。
物損については、最大限の損害資料の作成を主に行いました。
後遺障害については、治療を見守りつつ、後遺障害診断書の内容確認、加筆の指示等を行い、後遺障害が確実に認定されるようサポート致しました。
被害者に醜状痕の後遺障害として14級が認定されましたが、相手保険会社が、逸失利益を一切認めず、少額の賠償金しか認定をしなかったため、示談交渉を断念し、紛争処理センター申立及び自賠責保険への情報開示請求を行い、後遺障害逸失利益を認定されるための資料集めも行いました。
解決内容
過失割合、物上損害については、当方主張のとおり認められました。
問題は、後遺障害による逸失利益についてでしたが、自賠責保険が被害者の「醜状痕」のみを後遺障害を認定したため、相手が逸失利益は存在しないと主張してきました。
もっとも、自賠責保険は、「痛み」としての神経症状の後遺障害も含めての醜状痕の後遺障害等級を認めていることを主張・立証し、無事、逸失利益も認められるに至りました。
もっとも、依頼者がアルバイトを行う学生にすぎなかったこと、後遺障害が長期間残存するものなのか否かについては医師からの明確な意見を受領できなかったことから、少額の認定に終わってしまいました。
所感(担当弁護士より)
自賠責保険が、骨の変形、醜状痕の後遺障害認定をする際には、これに派生する痛み等の「神経症状」の後遺障害については、別途で認定することはせずに、曖昧な認定結果を記載するに留まります。
これにより、相手保険会社は、骨の変形、醜状痕だけでは、労働能力に影響はなく、後遺障害による仕事への影響はないと主張してきます。
もっとも、痛み等の神経症状についても後遺障害診断書に記載がある場合には、これを含めて後遺障害認定をしていることが多いため、自賠責保険に対して、情報公開請求をして、相手保険会社に提示をすると逸失利益を認めることがあります。
本件では、相手保険会社が無知であったため、自賠責保険は痛みを含めて後遺障害認定をするはずがないなどと主張してきたため、情報公開請求結果を提示したところ、手のひらを返したように逸失利益を認めるに至りました。