後遺障害診断書を修正して後遺障害を認定させた事例

後遺障害等級
12級
傷病名
右鎖骨遠位端骨折、右第二中節骨骨折
保険会社提示額
交渉前
最終獲得額
1,600万円

ご相談内容

被害者 40代 自営業 男性
部位 右鎖骨、右人差し指
傷病名 右鎖骨遠位端骨折、右第二中節骨骨折
後遺障害等級 12級
獲得金額 1,600万円

自転車同士の交差点での出会いがしら事故により、転倒して骨折したということで、事故直後から相談を受けました。被害者は美容師の職にあり、腕の骨折により、事業に重大な影響があることを心配して、早期に受任いたしました。自転車同士の事故ですが、鎖骨を骨折しており、後遺障害残存の可能性があることを見越して、治療段階からサポートを開始しました。

サポートの流れ

項目 サポート前 サポート後 増額幅
後遺障害等級 12級
入通院慰謝料 125 125
休業損害 112 112
逸失利益 1,773.5 1,773.5
後遺障害慰謝料 290 290
交通費 7 7
治療費 28 28
その他 0.5 0.5
過失相殺 -736 -736
合計 0 1,600 1,600
単位:万円

事故直後からご相談を受けたため、早期に通院方法につきサポートをしました。最初に行った総合病院から、自宅近くの病院に転院するよう勧めた上、痛みについて、こまめに医師に伝えるよう指示もしました。また、鎖骨骨折は、治療を長引かせると、後遺障害が残存した場合であっても、「事故以外」の原因による後遺障害と判断されてしまうことが多いため、早期に症状固定とすべきと被害者にアドバイスをしました。ただ、医師がこの点に非協力的であり、1年もの間治療、様子を見るという治療態様になったうえ、出来上がった後遺障害診断書も、可動域制限の数値が、あり得ない数値となっていました。この点の修正を図るべく、依頼者に診断書を指摘したうえ、治療を必要以上に長引かせないよう医師に訴えるよう指示し続けました。また、怪我をしていない左手と右手の両方のCTの撮影も指示しました。
これらの資料をそろえた上、相手保険会社に後遺障害の該当性を検討するよう求めたところ、無事、後遺障害等級12級が認定されました。相手方も自転車であったため、自賠責保険による認定手続きが取れなかったものの、保険会社によっては独自に後遺障害認定手続きを行う部署があるため、この手続きを利用しました。場合によっては非該当の回答をされる可能性もあると考え、この場合には画像鑑定書類を作成する必要があると覚悟していました。
無事、後遺障害が認定され、損害の算定をし、相手に提示したところ、ほぼ満額の回答を得られました。今回のポイントになったのは、依頼者が「個人事業主」であることです。個人事業主の方は、過度な節税対策を行うことがあり、経費を入れすぎて、所得が小さくなる傾向にあるため、依頼者には、事故直後から、過度な経費算入をして、所得が僅少にならないよう注意をしていました。この準備が功を奏して、後遺障害逸失利益も正当な金額算定とすることができました。

解決内容

自転車同士の事故であり、過失負担額として、3割を負担することになりましたが、全体の損害額としては、約2300万円が認定されました。
今回、12級という比較的低い等級にも拘わらず、逸失利益が、約1700万円と認定され、依頼者の方も大変喜ばれておりました。
訴訟提起をすればより損害額が大きくなることが見えましたが、依頼者が早期解決を望んだため、示談で事件終了となりました。

所感(担当弁護士より)

事故直後から早期に受任し、通院先、通院方法、症状固定時期を適切なものに導き、適切な検査を受けるよう指示したうえで、後遺障害診断書の内容の確認をきちんと行ったことで、正当な後遺障害等級が認定されたと考えています。
医師は、後遺障害についての知識はあまりなく、ましてや、後遺障害認定の基準、必要な検査を分かっていないと思って行動すべきです。医師のいうとおりに行動して、後遺障害が非該当となってしまった方をたくさん見てきました。弁護士が早期に介入し、適切な検査、適切な治療、適切な書類を作成して、本件のような成功事例を増やしていきたいと思いました。

その他の解決事例

相談料・着手金0円 完全後払い制 ※弁護士特約の場合は除く/賠償金が増額できなければ報酬は一切いただきません!

0120-122-138
24時間受付 メールでのご相談はこちら