車両運転者が失踪したため、車両所有者を追跡したうえ、粘り強く異議申立を行い、後遺障害14級を獲得した事例

後遺障害等級
14級
傷病名
頚椎捻挫、腰椎捻挫、右肩打撲傷
保険会社提示額
交渉前
最終獲得額
289万円

ご相談内容

被害者 30代 女性
部位 腰、首、肩
傷病名 頚椎捻挫、腰椎捻挫、右肩打撲傷
後遺障害等級 14級
獲得金額 約290万円

依頼者が歩行中、停車していた車両を避けて走行したところ、四輪自動車に衝突された事例です。
車両の運転者は警察官によると、半グレ組織の人間であり、連絡は一切取れない状況にあり、相手任意保険会社も不明であったことから、依頼者がご相談に来られました。保険代理店によるご紹介案件です。

サポートの流れ

項目 サポート前 サポート後 増額幅
後遺障害等級 14級
入通院慰謝料 104 104
休業損害 33 33
逸失利益 58 58
後遺障害慰謝料 99 99
その他 1 1
交通費 4 4
治療費 22 22
過失相殺 -32 -32
合計 0 289 289
単位:万円

1 弊所がサポートした内容は、
①加害者の追跡②異議申立を含めた後遺障害認定サポート③人身損害の任意交渉です。
2 加害者、賠償責任者の追跡
まず、加害者運転者の住所を辿り、追跡を行いましたが、加害車両運転者からは一切反応がなく、加害運転者を追跡することは困難となりました。
もっとも、自動車賠償責任法により、運転者だけでなく、車両所有者(正しくは管理者)も人身損害の責任を負うことから、念のため、車両所有者を追跡することといたしました。弁護士会を通じた調査により、車両所有者の氏名、住所等を追跡したところ、車両所有者が別に存在することが判明するとともに、任意保険に加入していることが判明しました。車両運転者からは、事故の発生を一切聞いていなかったとのことでした。これにより、賠償を求める相手方を獲得することができました。
② 後遺障害認定サポート
次に行ったことが、後遺障害認定サポートです。
後遺障害認定において最も大事な点は、適切な通院先選択と、通院方法を行うことです。事故直後から相談を頂いていたため、適切な通院方法をレクチャーすることができました。紹介者は、整骨院通院を希望されておりましたが、後遺障害認定や今後の治療費交渉に不利になることを繰り返し伝えて説得し、整形外科でのリハビリを継続して頂きました。治療自体は、依頼者付保の人身傷害特約にて対応していましたが、半年程度で治療を打ち切られること、その後は健康保険で治療する必要があることになかなか納得をしてもらえませんでしたが、何とか自費にて治療を継続してもらい、後遺障害認定請求の条件をそろえることができました。
もっとも、最初の後遺障害請求では非該当という結果となりました。
異議申立を行うべく、担当医と直接面談し、適切な医療記録の作成に成功し、異議申立の末、後遺障害14級認定を獲得しました。
③ 後遺障害の認定を受けた後、相手保険会社と示談交渉を行い、無事示談をすることができました。

解決内容

本件では、加害車両所有者を特定したことにより、任意保険会社と示談交渉をすることができ、無事、後遺障害損害、通院慰謝料をほぼ満額獲得できました。

所感(担当弁護士より)

交通事故で一番厄介な事例は、加害者の行方が分からない、資力がない、応答がない事例です。示談交渉もできず、判決を取っても回収可能性が低いからです。そのため、本件では資力がある賠償責任者を発見することが何より大事な点でしたが、弁護士に特別に認められた調査権を利用して、車両所有者の情報を取得できたことが事件解決のポイントとなりました。
また、後遺障害についても、最も認定獲得が難しいと言われている14級9号を異議申立で獲得することができました。後遺障害14級は取れない、異議申立をしても無駄、運による等の声をよく聞きますが、私は間違った見解だと思います。
後遺障害14級を取るポイント、重要な要素があり、これを知らない方々が、事例の内容も考慮せずに、後遺障害14級は難しいと言っているに過ぎないと思います。事例の内容、医師の協力の程度、事件受任直後からの適切な治療態様により、14級は十分獲得できる等級だと思っています。

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